『KANN ALPHA』は、Astell&Kernが高出力と低ノイズの両立をコンセプトとして設計・開発したKANNシリーズの第3弾モデルです。KANNシリーズの目的は、ポータブルオーディオプレーヤー単独でヘッドホンやイヤホンに対し高出力での駆動を可能にするという点にありますが、KANN ALPHAはこれまでの同シリーズよりも更にポータブルオーディオプレーヤーであることの本質を追求したモデルです。その大きなトピックとして、小型化しながらもKANN CUBEと並ぶ最大12Vrmsもの超高出力化。2.5mmバランス出力に加えてAstell&Kern初となる4.4mmバランス出力の搭載。各バランス出力ラインを完全に分離して超低ノイズを実現した「Noise-free Output」。新設計回路による驚異的な低クロストーク化。電源回路の効率化により連続約14時間半もの長時間再生も実現しています。更に同ブランド初となるBluetooth 5.0に対応。aptX HD、LDAC両方のコーデックもサポートします。そして持ちやすく芸術的なデザインと超精密な金属成形技術も特徴です。KANN ALPHAは、かつてないパワーとクラス最高峰のオーディオパフォーマンス、そしてポータビリティーの両立を成し遂げたall-inclusiveをユーザーへ提供します。
小型化しながらも最大12Vrmsの超高出力化
KANN ALPHAは、高出力アンプ回路を搭載し3段階のゲイン切り替え設定が可能です。本体サイズを初代KANNとほぼ同サイズに収めながらも、バランス出力のHigh Gain設定時においては、同シリーズにおいて最大の高出力を誇ったKANN CUBEと同じ、12Vrmsもの超高出力を実現しました。これは抵抗やコンデンサー等の多数の部品の小型化と、様々なコンポーネントの配置及び回路の最適化によって可能にしています。結果、60以上のパーツが作成され、最終的なプロダクトとしてデザインされています。そしてKANN ALPHAは小型化した新デザインによって、ポータビリティーを確保しながらも超高出力化が可能になりました。ハイインピーダンスのイヤホンやヘッドホンも余裕をもってドライブします。電源回路の再設計により最長約14時間半の長時間再生を実現
ハイレゾポータブルオーディオプレーヤーのサウンドに対し影響を与えないようにするには、安定した電源出力が非常に重要です。プレーヤーに電源が供給されている際に振動や騒音が発生すると、電源ノイズの影響で音に悪影響を及ぼします。Astell&Kernの高性能なスペック要求に応える為、松尾電器産業株式会社と共同開発されたAstell&Kern専用の超小型タンタルコンデンサーを採用。安定した電源を供給し、電気ノイズを抑えます。更にKANN ALPHAは、この再設計された電源回路により、電源効率の最適化を実現し、最長約14時間半の長時間連続再生も実現しています。
2.5mmと4.4mm、2種類のバランス出力端子の搭載とNoise-free Output
KANN ALPHAは、3.5mmアンバランス出力端子と従来の2.5mmバランス出力端子に加え、Astell&Kern史上初となる4.4mmバランス出力端子を搭載。4.4mmバランス出力端子を搭載したこと自体が重要ではなく、それをどのように実装したかが最も重要な要素です。KANN ALPHAは、マイクロリレーを使用して2.5mmバランス出力と4.4mmバランス出力を物理的に分離しています。一般的にミュート回路にのみ接続された各バランス出力の構造では、各信号が適切にブロックされずに発生するノイズの干渉を防ぐことができません。KANN ALPHAは、オフになっていない出力側からの干渉を完全に遮断する独立した構造を組み込んでいる為、ノイズのない出力を誇っています。それが各バランス出力ラインを完全に分離して超低ノイズを実現した「Noise-free Output」です。また物理的な接触ノイズを最小限に抑える為、3.5mmアンバランス出力端子、2.5mm/4.4mmバランス出力端子それぞれにゴールドPVDコーティングを施しています。これによりデザインと機能面の両方が向上します。4.4mmバランス出力端子には日本ディックスのPentaconnコネクターを採用することで、優れた品質と耐久性を誇ります。
最高レベルの低クロストークの実現
クロストークは、LチャンネルとRチャンネルの間にある信号が漏れる量です。クロストークの値が低いほど、左右チャンネル間の分離がよくなります。低クロストークであるほど感じることのできる空間がより深く、広くなります。KANN ALPHAは、新設計した回路によりハイゲイン設定時のバランス出力において-141dBという極めて優れた、低クロストークの測定結果を特徴としています。
ESS ES9068ASデュアルDAC搭載とMQAハードウェアレンダリング
KANN ALPHAは、ESS Technology社のオーディオ用最新DAC「ES9068AS」を左右独立したデュアルDAC構成で搭載。Quad-Core CPUの優れた処理能力と合わせて、最大PCM 384kHz/32bit、DSD 256(11.2MHz/1bit)のネイティブ再生をサポートします。更に超低ジッターを実現するフェムトクロックであるVCXO(電圧制御水晶発振器)も搭載しています。そして、ES9068ASはMQAレンダラーを内蔵しており、DAC側でのハードウェアレンダリングによるMQA 8xデコードに対応します。CPUにてMQAコアを展開後、ES9068ASに組み込まれたハードウェアレンダラーを介してMQAのデコードを行います。また、別売のAK CD-RIPPERにKANN ALPHAを接続してMQA-CDを再生する際にも適用されます。これにより高品質なオリジナルのマスターサウンドをお楽しみ頂くことが可能です。
DACフィルターによるサウンドカスタマイズ
KANN ALPHAは、DACメーカーが提供する様々なDACフィルターを選択することが可能です。自分好みのサウンドプロファイルを選択することで、サウンドをさらにカスタマイズすることができます。
※DACフィルターはPCM 192kHz/24bitまでの適用となります。DSD/MQAフォーマットには適用されません。
※DACフィルターはPCM 192kHz/24bitまでの適用となります。DSD/MQAフォーマットには適用されません。
ユーザーエクスペリエンス向上の為の最新のシステム最適化
KANN ALPHAのファームウェアはAndroid 9.0をベースに独自開発しており、一見気づかない多くの機能やアップグレードを追加したことで、これまでのバージョンのOSよりも更に安定した動作を提供します。これによりOpen APPを介してインストールされた、主な人気の音楽ストリーミングアプリが使用可能になり、将来的なアプリのアップデートにも対応するようになります。Androidを独自にカスタマイズすることで、音楽再生に完全に最適化されたシステムとユーザーインターフェースをユーザー提供し、スムーズで流れるような音楽体験を実現できるよう設計されています。
Bluetooth 5.0搭載と高音質コーデック対応
KANN ALPHAは、Astell&Kern史上初となるBluetooth 5.0を搭載。最新のBluetoothバージョンによってワイヤレス再生の利便性と、より安定した再生品質を提供します。Bluetooth 5.0は、Bluetooth 4.2と比較して、伝送速度の高速化と広範囲への伝送に対応しており、より安定したワイヤレス接続が可能となります。また、対応するコーデックにも妥協はありません。通常のSBCに加えAACコーデックの対応、更に高音質な24bitワイヤレス伝送が可能なaptX HDとLDACの両方をサポートします。Bluetooth対応イヤホンやヘッドホン、スピーカーとペアリングすることで、ワイヤレスでも幅広く高品質なサウンドを楽しむことが可能です。
ボリュームホイールLED搭載
KANN ALPHAは、ボリュームホイール周りに光で状態を示すLEDを搭載しています。現在再生中の曲のビット深度やボリューム調節状態を色で表示することで、デザイン面と共に視覚的な効果をもたらします。
優れたオーディオパフォーマンスと高い機能拡張性
・内蔵メモリ64GB+microSDカードスロット搭載(最大1TB対応※microSDカードは別売)
・USB Type-Cによる急速充電に対応
・USB-DAC機能対応 (USB Type-C)
・光デジタル出力(3.5mmジャック兼用)対応
・USBデジタルオーディオ出力対応
・DLNA機能強化のネットワークオーディオ再生「AK Connect」対応
・動画ストリーミングサービス「V-Link(MOVIE/MUSIC)」機能対応
・音楽ストリーミングサービスアプリ等をインストール可能「Open APP Service」機能対応
・EQ(イコライザー)シェアリング機能対応
・カーモード機能対応
・AK CD-RIPPER(別売)に対応
・USB Type-Cによる急速充電に対応
・USB-DAC機能対応 (USB Type-C)
・光デジタル出力(3.5mmジャック兼用)対応
・USBデジタルオーディオ出力対応
・DLNA機能強化のネットワークオーディオ再生「AK Connect」対応
・動画ストリーミングサービス「V-Link(MOVIE/MUSIC)」機能対応
・音楽ストリーミングサービスアプリ等をインストール可能「Open APP Service」機能対応
・EQ(イコライザー)シェアリング機能対応
・カーモード機能対応
・AK CD-RIPPER(別売)に対応
新たなレベルに到達したユニークな製造技術
Astell&Kernの製品は、他の製品には見られないカラフルな面や角度を備えている為、アート彫刻と比較されます。これは何年にも渡り研究し完成させてきた、非常に精密な金属加工技術によるものです。KANN ALPHAも驚異的なレベルの金属加工技術を適用しています。初代のKANNは、押し出し法を使用してアルミニウムボディを形成しましたが、KANN ALPHAでは精密な金属加工を使用して、豪華で緻密なデザインを作成しました。彫刻のように細い線はプレーヤーの豪華な装いと感触を高めます。その後、高光沢セラミックトップカバー用に精密金型が個別に製造されます。低速機械加工を含む異なる7つ以上のプロセスを通して、セラミックトップカバーを形成し、亀裂を防止します。リングは各ヘッドホン出力端子が配置されているセラミックのトップに単純に使用されるのではなく、ゴールドPVDコーティングを施しノイズを最小限に抑えています。セラミックの表面には、指紋や汚れを防ぐために特別なコーティングが施されています。Astell&Kernの独自のアルミボディ設計は、ノイズを抑制して音質を改善するのと同時に、オーディオ回路への優れた信号伝送を提供します。独自のレーザーグラウンドエキスパンションテクノロジーにより、ノイズフロアを限りなく抑えたサウンドを実現しています。Astell&Kernが製造時に使用する振動のない加工機は、スイスの高級時計メーカーが使用しているものと同じです。これは優れた操作感を実現するために、高級時計の龍頭のように正確に処理されたボリュームホイールの製造に反映されています。独立した機械加工が個々の領域に適用され、各スモールパターンを作成します。Astell&Kernの長年に渡る専門知識と細部への特別な拘りが最終的に製品に対し示されています。
デザインコンセプト
KANN ALPHAのデザインは、繊細なディテールの組み合わせによる美しさと、パワフルなパフォーマンスによる重厚さを示しています。ボディデザインは、上面から見て三角形の延長とみなした六角形をベースにしました。そして、六角形を押し合わせて形を変え、六角形の角度を微妙に変更することにより、持った際のグリップを向上させています。
ボリュームホイール部にはAstell&Kernのアイデンティティーを模した左右非対称の三角形が、ソリッドで頑丈、大胆かつ柱のような形状のKANN ALPHAのボディに備わったボリュームホイール部分を囲んでいます。そしてそのホイールを保護する面の裏側は、ボリュームホイールの周囲を持ちあげて、車のホイールを囲む、車のフェンダーのようなデザインを作成しました。車のフェンダーがオフロード走行時に砂や石、泥をブロックするのと同じように、KANN ALPHAのフェンダーはボリュームホイールを保護します。
そして、オールブラックのボディとブラックセラミックが織りなすハーモニー。そこへヘッドホン出力端子に施したゴールドPVDコーティングのラインがオールブラック仕上げに美しいコントラストをもたらします。